痛みの少ないお産を目指します 中川産婦人科

各種医療情報

 

不妊症について

現代は、社会全体の変化から、結婚、家族、夫婦に関する問題も多様化してきています。

子供を希望しない夫婦もありますが、子供を欲しいけれど、なかなか出来ないという切実な気持を持たれる夫婦が数多くいらっしゃるというという事も事実です。

 

【トピックス】
長野市では、不妊治療を受けている夫婦の経済的負担の軽減を図るため、平成16年4月から、体外受精と顕微受精を補助対象として年間10万円の補助を受けられるようになりました。(特定不妊治療費助成事業)
<問>長野市保健所健康課
TEL:026(226)9960

 

STD(性感染症)

若い女性にSTD(性感染症)が増えています。

性感染症とは性行為によってうつる感染症のことで、英語の名称はsexually transmitted diseaseでSTDと略されて呼ばれています。以前に日本では、性病または花柳病と言われていました。若者の性行動が低年齢化し、10代の性体験率も 上昇しています。その傾向は男子よりも女子に顕著で、ここ10年で女子中・高生の性体験率は2倍以上に増加しているのが現状で、同時に若者のSTDが問題 となってきました。

 

STDはこんなに恐ろしい

STDの種類にもよりますが、エイズのように生命を脅かすものから、パピローマウイルスのように子宮頚ガンの原因となるもの、クラミジアのように、将来 不妊症の原因となるもの、性器ヘルペスやサイトメガロウイルス感染症のように、妊娠しても赤ちゃんに危険を及ぼすものまで多岐にわたります。でも、一番大 切なのは、すべて予防可能であるという事です。

 

STDの種類

病原体 病   気
寄生虫 ケジラミ、疥せん(かいせん)
原虫 トリコモナス症
細菌 梅毒、淋病、軟性下疳、鼠径(ソケイ)肉芽腫
クラミジア 尿道炎、前立腺炎、子宮頚管炎、卵管炎、腹膜炎、肝周囲炎
マイコプラスマ 膣炎、尿道炎
ウイルス エイズ、性器ヘルペス、B型肝炎、サイトメガロウイルス感染症、伝染性単核球症、性器伝染性軟属腫、尖圭コンジローマ(ヒトパピローマウイルス感染症)

 

若い女性のクラミジア感染症が増えている

平成15年12月に日本性感染症学会が長野市で開かれました。

そこで問題となったのは、最近若い女性に急増しているクラミジア感染症のことでした。

 

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*クラミジア感染症に気付かないことも

クラミジアトラコマティスという、小さな病原体によるSTDです。

世界中で最も多い性感染症で、日本でも(表1)のように毎年増加しており、特に10~20代の女性の感染の増加が問題となっています。

日本では現在妊婦の約3~4%に感染が認められているので、妊婦検診時にクラミジア検査を行う産科施設が増えています。

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ピルではSTDの予防効果なし

若い女性の間で、「ピルを服用すればSTDの予防になる」との誤った考えが広がっているようですが、これは全くの誤解です。

ピルはあくまで、卵巣からの排卵を抑制して避妊を目的とするものですが、菌やウイルスの侵入を防ぐ働きはほとんど期待できません。

避妊のためにピルを使用している場合でも、STD予防のためには同時にコンドームを使用することが必要です。

 

このような時はSTDの可能性があります!

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子宮がんについて

子宮ガンは、高齢の女性のものと思っていませんか?

最近、20代の若い女性の子宮頚ガンが増えつつあります。

子宮頚ガンは、世界的にみて女性の癌の中で乳ガンに次いで多い疾患です。

早期発見すれば、子宮頚ガンは治癒率の高い病気ですから、まだまだと思わずに思いきって検診を受けて見ませんか?

図1

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子宮頚ガンは、早期発見が可能なガンです。

早期に発見できれば100%治ります。ぜひ、検診をうけましょう。

 

骨粗しょう症について

■超音波骨密度測定法

音が伝わる際の減衰率や速さは物質の緻密性により差が生じるという原理を応用して、かかと(腫骨)に超音波を当てて骨量を計測する方法。

放射線を用いないので子供や青壮年のスクリーニング検査に適しています。

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骨密度測定装置

 

■骨粗鬆症

わが国では骨粗鬆症患者は1,000万人(1996年)と推定され、原発性骨粗鬆症は男性にくらべ女性に圧倒的に多く発症します。

寝たきり老人の大きな原因となっている大腿骨頚部骨折患者は1987年の全国調査では年間5万人、1992年の全国調査では、年間8万人と急速に増加しています。

大腿骨頚部骨折は一度発症すると40%は退院できず、この骨折が原因で骨折後1年以内に10~20%が死亡するという統計が出ています。

今まさに高齢化社会をむかえつつある時期にあるわけですから、将来のQOL(quality of life=質のよい生活)のため、骨粗鬆症の健診・診断・治療はその重用性を増しています。

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年齢別にみた骨粗鬆症の発生頻度 加齢による骨量の変化

 

■なぜ女性に多いのでしょう?

1.女性はもともと骨の量が少ない。

2.閉経があること(女性ホルモンの減少により、骨密度が急速に低下する)。

若い女性でも無理なダイエットや、神経食思不振症などにより、卵巣機能低下から生じる無月経やカルシウム摂取の不足によって、骨量減少が顕著になります。

3.男性よりも長寿であるため(平均寿命が83歳近いわけですから、30年間位)女性ホルモン(エストロゲン)が低下した時期を過ごすことになります。

 

■治療にはどんな方法が?

その人のライフスタイルから長年にわたって低下した、また、一旦低下してしまった骨量を日常生活指導(食事・運動・日光浴など)のみで回復させることは、予防のレベルとしては良いのですが、治療としては実際にはかなり困難です。

従って、薬物療法(カルシウム剤や骨の形成を促進し、破壊吸収を抑制する薬剤を用いる)が必要となります。

A.骨吸収抑制剤:カルシトニン、エストロゲン、イプリフラボンなど)

B.骨活性化剤:ビタミンD3

C.骨形成促進剤:ビタミンK

当院では上記の薬剤を状況に応じて使用していますが、特に婦人科の立場から、HRT(hormone replazament therapy:ホルモン補充療法)を有用と考えています。

 

■ホルモン補充療法は副作用が心配?

もちろん、使用していけない場合(例えば、エストロゲン依存性悪性腫瘍、重症肝機能障害、血栓症など)がありますが、対象女性を十分に考慮して選択すれば、女性にとってのメリットは非常に多いのです。

適応例を示すと、

A.更年期障害の予防および治療

B.泌尿器症状(萎縮性腟炎、性交障害、尿失禁)

C.骨粗鬆症の予防と治療

D.高コレステロール血症の予防

E.痴呆の予防

また、よく発ガン性の心配を聞かれることが多いのですが、HRTを正しく行えば、子宮体ガンの発生はむしろ減少するのです。

もちろん、定期的な子宮・乳房検診が大切であることは言うまでもありません。